初勝利を目指して臨んだアウェーのツエーゲン金沢戦は2-0の敗戦で6連敗。
「このままではダメだ」
正直そう思った。
6連敗したことで見えてきたものがある。
そう思った。
メンタル面の成長が必要
間違っていないことを続けていくことは良いけれど、その進捗度が遅ければ続けていく事は許されない。
この戦い方を決めたのは森下監督だが、それを実行するのは選手達で目標を達成できなければ選手達ではなくトップが責任を取ることになる。
選手たちはじわりじわりと監督の首を絞めていることをもっと理解して欲しい。
そのカウントダウンはもう始まっていて1プレー1プレーも無駄には出来ないと思う。
勝てないことで監督自身もあらゆる角度からのプレッシャーで采配や選手起用に大胆さは無くなる可能性すらある。
今でも森下監督のサッカーは素晴らしいと信じている。
でも勝てなければそれを否定しなければいけない気持ちも湧いてきてしまう。
1プレー1プレーも無駄にできないと書いたのには理由があって、ツエーゲン金沢戦のプレーにあまりに不満があったからだ。
前節のファジアーノ岡山戦は今シーズン最高の出来と森下監督もコメントで表していたが、まったくその通りで素晴らしかった。
その評価が油断を生んだのか、相手が1つ順位が上のツエーゲン金沢だったからなのか、それはわからないが選手たちのプレーには100%出せば勝てるという気持ちが見えていた。
勝ててないチームが100%では勝てない。
少なくともファジアーノ岡山戦は100%以上出していた。
ザスパクサツ群馬は伝統的に大勝した試合の後は大敗するみたいなことがあり、勝ち続けるという勝者のメンタリティーが足りないことは指摘されてきている。
今回は勝てていないのであてはまらないかもしれないが、メンタル的な問題はプレーに表れていた気がする。
もうカウントダウンは始まっている。
それでも森下監督には自分を信じてこの道を進んで欲しい。
いまから違う道には進めない。
もう後戻りはできない。
前半は良かったがミスから失点し崩壊
前半はツエーゲン金沢のハイプレスに苦しんだが、風下ながらパスをうまくつなぎゴールへと向かう姿勢は見せていた。
目立ったのが、ザスパクサツ群馬のマイボール時のミス。
サイドチェンジが流れたり、ショートパスがズレたりリズムを自ら崩すプレーが見えたこと。
これが前述したメンタリティーの部分で緊張感というかゴールへの執念みたいなものが感じられないと思った根拠だ。
勝ちたいという気持ちはツエーゲン金沢が勝っていた。
ミスしながらもアタッキングサードに侵入した時にさらなるツエーゲン金沢との差を感じた。
それはそこからの精度だ。
ツエーゲン金沢の守備体系はお粗末で、今のザスパクサツ群馬でなければ簡単に突破できていただろう。
それでも破れなのだからザスパクサツ群馬の攻撃の質は酷かった。
決定機こそザスパクサツ群馬の方が多く作ったがシュートはことごとくツエーゲン金沢のゴールキーパーに防がれた(シュートコースは限られていた)
試合こそポゼッションサッカーで支配はしたもののメンタルの部分やアタッキングサードからの精度で負けていたザスパクサツ群馬はゴールを奪えず、前半は0-0で終了した。
ありえないミスから失点
1失点目の牲川がミスキックしてゴールを許したシーン。
ゴールキーパーがロングパスをせずにショートパスでつないでくるのは前半から行ってきていたし、今シーズン多用していることなのでプレッシャーがすぐに与えられることはわかっていた。
それでもショートパスを多用したのには、ツエーゲン金沢のハイプレスをかわせば、その裏には広大なスペースがあり攻撃のチャンスは増えることが分かっていたからだ。
前半はそれで、小林竜樹や高井和馬がゴールチャンスを得ていた。
ただ23歳(24歳?)の牲川には荷が重すぎたのかもしれない。
ゴールキーパーは最も経験が必要なポジションの一つで、経験の少ないゴールキーパーがミスするのは少なからずあり、ゴールキーパーがミスする時はゴールマウスに一番近いだけにゴールに直結する。
若い牲川がミスすることも織り込んでスタメンを決めなければならない。
森下監督は試合後のコメントで「選手を選んだ監督の責任」と明言したことはその辺もわかって起用したことがわかる。
選手がミスすることを恐れて起用しないことでは若い選手は成長しないということは付け加えておきたい。
試合後に森下監督が牲川を責めなかったことは評価されても良いと思う。
ゴールキーパーとして目立つ形でのミスは面白いネタとして扱われ、SNS上では「もう使うな」など辛辣な言葉が並んだ。
牲川には少ないだろうがミスを取り返すチャンスがやってくるだろうからこれらを見返す結果を出して欲しい。
プロならばプレーでサポーターの信頼を取り戻すしかない。
少し気になるのはミスした牲川に対して、鼓舞したり、怒ったりする選手がいなかったこと。
優しさとかじゃなくてそこは声をかけて勝利に対して貪欲な姿勢を見せる選手が欲しかった。
タラレバになるがそこに坪内秀介がいたら激しい言葉をぶつけて選手たちを引き締めてくれると思った。
その甘さが2失点目に結び付く。
気落ちしたのか
同店を焦ったのか
ツエーゲン金沢のカウンターの餌食となって中美に2点目を与えた。
今のザスパクサツ群馬に2失点を取り返すチカラは無く6連敗となった。
必要なのは勝利への貪欲な姿勢とプレーのクオリティ
個人的に森下監督が掲げるサッカーは好きだし、徐々にではあるが仕上がりを見せていて実現は近いと感じている。
その実現には、勝利へのメンタリティとプレーのクオリティが必要だ。
この課題はザスパクサツ群馬では毎シーズン語られることだが、負け続けることで勝者のメンタリティが伝統的に受け継がれてこなかったことにある。
解決は難しいことだが苦しいシーズンを乗り越えることで解決に向かって欲しい。
プレーのクオリティについても一朝一夕で解決することではないが、前述の1プレー1プレーに練習から魂を込めてほしい。
選手には、もう時間が無いということを認識して欲しい。
あと付け加えるとすると、前後のパスをもう少し多くしてほしい。
カウンターが好きな方からはバックパスはやめろと言われそうですが、前後にボールを動かしながら相手の足を止め、視線を動かして死角だったりスペースを作って欲しい。
ここで重要なのは、ボールを動かす選手ではなくてそれ以外の選手。
3人目の動きと言われるが、パスコースを作り、スペースへの動き出しでボールを引き出す。
ファジアーノ岡山戦では何度か見られたが、ツエーゲン金沢戦ではほとんど見られなかった。
森下監督のサッカーは好きだが、勝てないことにはいつかは終わりが来てしまう。
プロである以上勝利は必要だ。
森下監督、選手、サポーター(見に来ているお客さんすべて)含めて全てが勝利に対して執念を燃やさないと勝つことは出来ないと思う。
そしてこの3者は3等分されるわけではなく選手だけが半分以上を占める。
それだけ選手たちの1プレー1プレーは重要だ。
ミスは監督やサポーターの勝利への気持ちをそぎ落とし・・
良いプレーは監督やサポーターの勝利への気持ちを高揚させる・・
僕ら見る側の人間にはゴールを奪うことやゴールを守ることは出来ない。
でも、ゴールを奪う選手やゴールを守る選手を応援することは出来る。
勝利を信じて応援し続けましょう。