ザスパクサツ群馬にとって負けられない戦いがやってきた。
残留争いを繰り広げているザスパクサツ群馬とギラヴァンツ北九州のホームゲームは2-2の引き分けで終了。
0-2となり敗戦濃厚からの同点劇にスタジアムは興奮したがそこまでだった。
拾った勝ち点1を生かすことが出来るのかは今後にかかっている。
スタメン
ザスパクサツ群馬のスタメンは水曜日開催という事もあり若手主体。
右サイドには平秀斗、2トップには山岸祐也と瀬川祐輔。
センターバックもパクゴンと乾大知が初コンビを組んで全試合スタメン出場を続けてきた坪内はベンチに入った。
右サイドバックは舩津の疲労を考慮して一柳が久しぶりのスタメン。
松下裕樹は累積出場停止明けでスタメンとなった。キャプテンも久しぶりの松下。
不安定な守備からPKで失点
この大事な1戦を象徴するようにスタートから対人プレーは厳しく入るザスパクサツ群馬。
球際で負けないという選手の気持ちがヒシヒシと伝わってくる。
ただそれだけでは勝てないのがサッカー。
DFラインがなんだか不安定。
高瀬以外は継続的に試合に出ていないだけに連携面で不安定な場面を見せていた。
とくにセンターバックのパクゴンと乾大知の2人は初コンビなのでギラヴァンツ北九州の選手を捕まえ切れない部分やパクゴンのカバーに回ることが多かった乾の不慣れな感じがそう見せた。
乾大知のプレー速度は精彩を欠いた。判断スピードが遅く、ギラヴァンツ北九州FWに詰め寄られてミスという場面が見られた。
それでも粘り強く守備を続けられたのはパクゴンの守備力の高さのおかげだろう。
パクゴンは夏の補強の成功と言えるだけにシーズンオフには完全移籍を狙って行きたい。
山岸・瀬川のコンビは良い。平のプレーは平凡
山岸祐也が前線に入ったことで瀬川との連携は高まった。
仲が良いだけにこの二人の息は合うし、山岸は中央でのプレーの方が良さは出る。
山岸に代わって右サイドに入ったのが平秀斗は結果を残せなかった。
練習試合でもプレーは見たがまだまだ坊ちゃんサッカーというか綺麗なプレーを見せようとする感じがする。
ザスパのような下層のクラブではもっと泥臭いプレーというか失敗してもいいからがむしゃらなプレーが好まれる。
まだまだそういったプレーが見えなくて、本人は鳥栖から出て勝負のシーズンにしたいと言っているようだけれどプレーからは感じられない。
前半は山岸のミドルや瀬川のターンからのシュートなどチャンスは作ったが枠にシュートが打てずにゴールは生まれなかった。
セットプレーからPKを与える
ザスパクサツ群馬もギラヴァンツ北九州ともに大事な1戦と理解し守備はしっかりと固める。
ギラヴァンツ北九州はリトリートして守備ブロックを敷くことでザスパクサツ群馬にボールをポゼッションさせてザスパ得意のカウンターを封じた。
逆にギラヴァンツ北九州がボールを持つとロングボールで不安定なザスパ守備陣を揺さぶった。
その結果何本ものコーナーキックを得たギラヴァンツ北九州。
そしてあのシーンを迎える。
現地では何が起きたのかわからなかったけど、ビデオで見る限りだと乾がユニフォーム引っ張ってますね。
今シーズンから手を使ったプレーは厳しく見る方針なのであれだけ派手に引っ張ったらPK取られそうです。
ただボールに関与したかという視点から見るとどうなのかなという思いもあります。この辺はレフリーの判断なので。
乾にはもっと上手くやれよとしか言えません。
難しい判定で先制点を許したザスパクサツ群馬。
ザスパクサツ群馬は2016シーズンに先制されて逆転した試合はこれまで無いのでどれだけ困難な状況になったかわかります。
PK後に落ち着けという仕草を見せた松下裕樹。
こういう時にしっかりと声がかけれる松さんがいると頼もしいです。
それでも焦りからプレー精度は落ちていったので若手主体のザスパクサツ群馬に同点への足掛かりは見つけられませんでした。
前半はこのまま0-1で終了。
シュート1本で1点取ったギラヴァンツ北九州が上手く立ち回った前半となった。
同点劇から逆転は出来ず
ホームゲームだし、負けているのでザスパクサツ群馬の攻撃への比重は増してきた。
ペナルティーエリア手前までボールを運べるようになってきて同点ゴールはいつでも生まれる雰囲気は出来つつあった。
それでもプレー精度とアイディアの欠如がゴールを近くて遠いものにした。
後半、ザスパクサツ群馬はシュート12本を打った。
1試合にシュートを12本打つことが珍しいザスパクサツ群馬が後半だけで12本も打ったことを考えても圧倒的にザスパクサツ群馬が押していたのがわかる。
それでもゴールが奪えないザスパクサツ群馬はマテウスと舩津徹也を投入。
マテウスが精彩を欠いた平と替わり、舩津は守備的な一柳と替わった。
マテウスが入ったことでポジションをあげて瀬川とツートップを組み、山岸が右サイドに回った。
これが本当のマテウスか
ここで改めてマテウスの評価をしてみたい。
以前のマテウスは [山形3-1群馬]新たな希望・中村駿と進むべき道 でスピードの無いドリブラーという評価を下していた訳ですが、前節のセレッソ大阪戦からちょっと印象が変わってきた。
ボールが足につくようになり、良いポジションも取るようになってきた。
これが夏になったからなのか?ブラジル人が一人になったから危機感を感じたのか?群馬になれたからなのか?原因はいろいろあってわからないけど評価は上昇した。
結果を出したとは言えないので高評価とまでは行かないが周りを使える選手になったことでチームに欠かせない存在になる可能性は秘めている。
絶望的な2失点目を食らう
圧倒的に攻めながらもゴールを奪えないザスパクサツ群馬はサッカーのセオリー通りゴールを奪えないと失点するを体現。
自陣内のスローインを奪われての失点で完全にミス。
本山のパスもさすがだけどあっさりとギラヴァンツ北九州にゴールを奪われる。
これでギラヴァンツ北九州はさらに試合マネージメントははっきりしたが、サッカーのセオリーを言えば2-0というスコアは一番危険な点差なんです。
山岸のゴールが1点返す
失点前に交代で入った小林竜樹がベテランらしい動きでザスパクサツ群馬の攻撃に変化を与えた。
ミニ四駆と言われる小林竜樹だが、ギラヴァンツ北九州の最終ラインに張り付く前線の選手を尻目に、空いたスペースに顔を出すとパスを受けてははたいてを繰り返した。
混乱したギラヴァンツ北九州はバランスを崩した。
最後はファーに流れて余っていた山岸が押し込んだ。
小林竜樹の同点ゴール
山岸のゴールで流れは完全にザスパクサツ群馬。
遠いと思われていたゴールは近くにあることを気づかせたのはマテウスと小林竜樹。
2人がサイドからのクロス1択だったザスパクサツ群馬の攻撃に中で勝負してパス交換してという変化を与えた。
最後の小林竜樹のゴールはそんな気持ちのこもった同点ゴールだった。
逆転劇に水を差したレフリング
これで逆転だという流れに待ったをかけたのがレフリーだった。
倒したギラヴァンツ北九州の選手を起こそうとして瀬川の手を振り払ったことで乱闘まではいかないがイザコザが発生。
レフリーはどこから見ていたかはわからないが両者にイエローカードを出して事態を収集した。
瀬川は相手の挑発に乗ってどついたことが印象として悪かったのかもしれない。
前半のPKもそうだが、マイボールで流して欲しい場面で試合を止めたりとザスパクサツ群馬の選手がレフリーに対してフラストレーションをためる事が多すぎた。
そして最後のこの問題。
レフリングの問題はJ1ですらミスジャッジがあるくらいですからJ2でも低くて当然。経験のないレフリーが経験を積む場なので致し方ないです。
これもサッカーということ。
試合後に瀬川、松下、服部監督がレフリーに意見を求めたのは良い事
勝ち点3が絶対に必要だった試合でザスパクサツ群馬は2-2で引き分けとなって勝ち点1となった。
試合展開を考えると勝ち点2を失ったのはギラヴァンツ北九州だけど、勝ち点3が必要だったザスパクサツ群馬にとっても勝ち点2を失ったという結果。
それでも負け試合を引き分けまでもっていった事を考えれば勝ち点1をギリギリで拾ったという結果とも言える。
松さんの試合終了後のこの姿勢が切ない・・・くやしい・・・
どちらとも言える結果を、あの試合(勝ち点1)が意味があるものだとシーズンが終わってから思えるためには次の試合が大事になってくる。
ザスパクサツ群馬は最下位に落ちた。
それでもまだ18試合も残っている。
全て勝てば+54、全て引き分けで+18です。
シーズンはまだ長いです。
勝ち点差が開いてない現状では少しずつでも勝ち点を積み上げていくことが大事です(もちろん勝ち点3は重要)