ここ4試合を負け無しと良い流れで天皇杯1回戦・ソニー仙台戦に臨んだザスパクサツ群馬。
スタメンメンバーを大幅に入れ替えながらも0-1で勝利しました。
今シーズン最大の目標でもある残留争いに負担を掛けないという意味で、J2リーグ戦にレギュラーとしてスタメン出場している選手は休養を与えられた。
天皇杯は、出場機会の少ない選手のコンディションを確認する場となった。もちろん相手へのリスペクトは忘れていないが、リーグでの残留争いを考えると致し方ない。
試合当日は朝から雨が降っていたが、試合時間になると雨が止んでなんとかカッパなしで観戦できた。
試合終了と同時に強い雨が降ってきたので運が良かった。
スタメンは控え組中心
スタメンは、GKは鈴木雄太。リーグ戦は常に2番手。プロ初めてのスタメン出場となった。
右サイドバックは一柳夢吾。リーグ戦では前半戦こそ出場機会があったが舩津の方が攻守のバランスが良いので控えに。
左サイドバックは鵜飼亮多。チャレから昇格後、スタメンこそないがロングスローを武器に貴重な戦力となっている。スタメン出場でそれ以外を見せられるか?
センターバックは川岸祐輔と坪内秀介。リーグ戦では前半戦スタメン出場したが失点の多さとパクゴンの加入で乾とパクゴンにスタメンを奪われる。
ボランチは青木良太と中村駿。青木良太のボランチ起用は失敗と思っていたが再挑戦。中村はレギュラー組で唯一出場。ボランチ不足か。
右サイドハーフはマテウス。リーグ戦でも途中出場で動けるようになってきたが、スタメンでどうか?
左サイドハーフは小林竜樹。リーグ戦でも出場機会を得ているがコンディション調整。
2トップはルーカスガウショと永井雄一郎。ルーカスはコンディションチェックで永井は久しぶりのスタメン出場。
ベンチには田代容輔や平秀斗など、リーグ戦でベンチ入りもできないメンバーが入った。
彼らの奮起にも期待した。
さらにベンチ入りすらできなかったメンバーがいる。
大岩や志村もベンチ入りぐらいできると思って期待したがスタンドにいた。
志村は1年目だからある程度は仕方ないが大岩はちょっとやばいんじゃないかと思ってしまう。
ケガとかあるんだろうけど加入2年目のシーズンが終わるということはどういうことか・・・気になってしまう。
苦しんだ前半
前半からザスパクサツ群馬のペースでいけると思っていたが、苦しむ展開。
ソニー仙台のカウンターも鋭かったが、スタメンメンバーが全てにおいてもたついた。
久しぶりの公式戦ということもあるだろうが、動けていたのは中村駿だけのように感じた。
まずはツートップの永井とルーカスガウショ。
まったくボールが納まらずに攻撃の形が作れない。
特にルーカスガウショにはポストとしての役割があり、永井がパスを前向きで受けてサイドが押し上げるというのが理想だと思うが出来なかった。
永井雄一郎に関しては膝の状態が完全ではないのだろうと思わせる程、プレーのキレが無かった。
中盤は一番機能していた。
マテウスはボールを持てるし、ターンからカットインしてシュートなど持ち味を十分に出していた。
もう少しシュート精度は欲しいがよかった。
小林竜樹に関しても動いて相手のスペースを見つけてボールを受けたり、守備の部分でもしっかりと走れていた。
ボランチは中村駿はさすがの捌き。ボールを動かしながらソニー仙台の守備に穴を作ろうとしたが前線の動きがない分中盤だけのボール回しとなった。
青木良太はすでにリーグ戦で機能しないボランチと個人的に思っていたが再度トライ。
今回もうまくいったと思えない。
ソニー仙台の前線の選手はスピードあるタイプということもあるが捕まえられないし最終ラインの前で壁にもなれていなかった。
そこで使うしかないチーム事情が問題なのかもしれない。
最終ラインもまたソニー仙台のスピードに翻弄された。
川岸祐輔と坪内秀介という本来スピードのあるタイプではない二人を揃えたので仕方ないがペナルティーエリアに侵入してくるソニー仙台の選手を捕まえることは出とに来なかった。
川岸は気合を表に出してチームの士気を高めたがそれしか目立っていなかった。まースタンドは沸いたけど、プレーで沸かせてほしいというのが個人的な思い。
サイドバックの二人は可もなく不可もなくかな。
鵜飼はロングスローでソニー仙台に脅威を与えたが、守備の部分で脆さを見せた。
何回か裏を取られる部分もありポジションと判断に難がまだあると感じた。
とにかく良いところはほとんど見られず、ソニー仙台のシュート精度の無さに助けられたほどソニー仙台に決定的なゴールチャンスを与えすぎた前半だった。
小牟田と常盤が入って一変。小牟田のゴールを守り切る
あまりの出来の悪さに服部監督は2トップの二人・永井とルーカスガウショに替えて、常盤聡と小牟田洋佑を投入。
前線に攻撃の起点を作りに行く。
この交代でチームは一変する。
前線でパスが納まり次第にソニー仙台を押し込み始める。
押し込まれたソニー仙台は攻撃時の厚みもなくなり単発な攻撃となり守備陣も楽になる。
ザスパクサツ群馬の時間が続き、ついに先制点が生まれる。
鵜飼のロングスローからゴール前に放り込んだボールがこぼて小牟田が押し込んだ。
小牟田はJ初ゴールしてから吹っ切れたのか落ち着いてゴール前のボールを呼び込むような予備動作ができいる。
しっかりとスペースで待てていたのは好調なフォワードの証拠だ。
ゴールのなかった小牟田の成長を促しながら試合に使い続けた服部監督の手腕はさすがと思う。
先制したことでソニー仙台は前がかりになる。
ここで生きたのが常盤聡のスピード。
前線からの守備やおろそかになったDFラインを突破しての抜け出しなど数えてはいないが決定機は4~5回はあっただろう。
ハットトリックも可能なほどGKと1対1の連続だったが、結果としてノーゴールに終わった。
試合はそのまま終了し1-0でザスパクサツ群馬が勝利した。
これでザスパクサツ群馬が2回戦に進出し、モンテディオ山形との対戦となった。
控え組のコンディションチェックとリーグ戦での残留争いに向けての新戦力を見つけるという意味が見えた試合だったが、どちらも期待できないものだった。
結果として最近のリーグ戦にスタメン出場したり、ベンチ入りしている選手とそこにも入っていない選手には大きな差が生まれている。
そういった選手たちを底上げすればどうにかなるという感じも受けなかった。
はたして服部監督や首脳陣にはどう映ったのだろうか?今後のリーグ戦の選手起用に反映されるか、見ていきたい。
ルーカスガウショに関しても期待はできないコンディションと連携だった。
長い期間掛ければどうにかなると思うがシーズンオフを経てザスパクサツ群馬に残るかどうか。
彼の本来の能力がどれだけなのかわからないが、発揮されていないとしたら残念だ。
とはいえ無事に天皇杯1回戦を通過したザスパクサツ群馬。
今年はJ2リーグ戦に負担がかからない日程でトーナメントが開催されていくので可能性は広がった。
最後に出場しない選手の写真をちょっと。