前回のGK編に続きましてDF(ディフェンダー)編を振り返っていきたいと思います。
今回のポジションのDFは大きく分けてセンターバックとサイドバックに分けられます。
ザスパクサツ群馬の今シーズンは3バックと4バックを併用していますのでさらに分析は複雑になります。
今回は余り分けずに失点の比較、負け数などDFとしてまとめて比較してみました。
いろいろ比較してみると有薗の存在感が際だった。平繁の復帰に目が行きがちだったが、後半戦の安定した戦いは有薗の復帰もあったのかもしれない。
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DF登録選手
2013年の失点61を減少させるために青木良太を獲得。
さらに右サイドの久富良輔をチャレンジャーズから昇格させました。
2013年はレンタルで加入していた夛田凌輔・クオンハンジンを完全移籍させました。
2年目の瀬川和樹・黄大俊。
3年目の乾大知・小柳達司。
チャレンジャーズ時代も含めると7年目の有薗慎吾。
金沢浄はDF登録ですが主にMFとして出場していたので除外。
代わりに3バック時にDFラインに入ったファンソンスを入れています。
データから見るディフェンダー
引用: サッカーをデータで楽しむ | Football LAB[フットボールラボ]
データをFootball LABというサッカーをデータから分析しているサイトから引用させて頂きました。
出場試合数
開幕当初は3バックを主に使用。小柳達司・ソンス・ハンジンの3バックがメインでした。
21節の中で18節が3バックを採用しました(途中で4バックになる形も含みます)
- 小柳達司(41試合)
- クオンハンジン(41試合)
- 瀬川和樹(34試合)
- ファンソンス(18試合)MF出場は除く
- 青木良太(17試合)
- 夛田凌輔(16試合)
- 有薗慎吾(12試合)
- 久富良輔(11試合)
- 乾大知(6試合)
- 黄大俊(0試合)
小柳・ハンジンの貢献度は大きいです。それぞれ1試合出場しなかっただけです。
小柳は前半戦はセンターバックで、後半戦は左右サイドバック・ウイングバックと様々なポジションで一定以上のプレーでユーティリティ性を見せてくれました。
守備専門という訳でもなく、時には相手ゴール前に顔を出してゴールこそありませんが3アシストを記録。
ハンジンはセンターバックとして41試合に出場。DFの中心として活躍した。
長身を生かしてハイボールには強さを見せたが裏への対処には課題が多かった。
瀬川・久富の左右サイドバックの成長も2014年シーズンを象徴している。
瀬川は前半戦を中心に34試合に出場。久富は後半戦、第31節京都サンガ戦から右サイドを任されています。
二人に共通することは無尽蔵のスタミナでサイドの上下運動を惜しまないこと。
サイド攻撃を得意としたザスパにとって、必要な攻め上がりでした。
瀬川は3ゴール4アシスト、久富は1ゴール1アシストを記録。
DFラインの再生を期待されたベテランの青木良太は怪我が多く夏場を中心に17試合の出場に留まった。
その穴はファンソンス・有薗慎吾がDFラインに入ることで埋めることになった。
夛田も前半戦こそ出場したが右サイドに久富良輔が定着してからは試合に出れなくなった。
乾大知・黄大俊にとっては苦しいシーズンになった。
勝敗数で比較
DFライン(WBも含む)に入った時の勝率を比較してみました。
ソンスはボランチ出場時は除いています。
- 久富良輔(0.455)
- 有薗慎吾(0.417)
- 小柳達司(0.341)
- クオンハンジン(0.341)
- 瀬川和樹(0.324)
- ファンソンス(0.278)
- 夛田凌輔(0.250)
- 青木良太(0.176)
- 乾大知(0.167)
ほぼ全試合出場のハンジン・小柳を中心に考えると、久富・有薗は勝利を引き寄せる守備をしたと言えます。
反して青木良太・乾大知に関しては守備に問題がある結果と言えます。特に守備専門のCB二人がこの結果は残念です。
終盤は上位4人の4バックで、チームが安定した戦いを見せていただけにここで稼いだのかなとは思います。
失点数で比較
続いて出場試合においての失点で比較してみます。
ここでも興味深い結果が出ています。
1試合当たりの失点
- 有薗慎吾(0.83)
- 久富良輔(1.09)
- 夛田凌輔(1.25)
- 小柳達司(1.29)
- クオンハンジン(1.29)
- 瀬川和樹(1.35)
- ファンソンス(1.44)
- 青木良太(1.47)
- 乾大知(1.67)
勝利の順位が1試合当たりの平均失点で証明された感じがあります。
乾・青木の二人がDFラインに入る事での失点数の多さが敗戦の原因の一つとなっているようです。
ソンスに関してはDFラインでのファールの多さが原因だと思われます。
ザスパの失点原因1位はセットプレーからなのでそうあたりかなと。
2失点以上の試合数の割合
2失点以上すると負けが濃厚となる(逆転した試合もありますが)ので調べてみました。
計算は2失点以上の試合数/出場試合数です。
- 有薗慎吾(16.7%)
- 久富良輔(27.3%)
- 青木良太(35.3%)
- 夛田凌輔(37.5%)
- 小柳達司(39.0%)
- クオンハンジン(39.0%)
- 瀬川和樹(41.2%)
- ファンソンス(44.4%)
- 乾大知(50%)
有薗がDFラインへ入った時の2失点以上しない確率は驚異的です。
勝利率が高いのも納得です。
以外なのは青木良太。接戦での敗戦が多かったのは運が無かったのかもしれません。
乾に関しては厳しい結果としか言えませんが試合に出れないのも納得かもしれません。
2014年は6試合出場ですが3試合は2失点以上しています。
無失点試合の割合
最後は無失点の試合の割合です。
無失点に抑えることで勝率も上がります。
- 久富良輔(27.3%)
- 有薗慎吾(25.0%)
- 小柳達司(24.4%)
- クオンハンジン(24.4%)
- 瀬川和樹(23.5%)
- ファンソンス(22.2%)
- 青木良太(17.6%)
- 乾大知(16.7%)
- 夛田凌輔(12.5%)
久富・有薗は好結果。4試合に1試合は無失点という計算。
有薗はカバーリング能力が高く、本人の能力も高いですがコンビを組む選手の能力を高めている気がします。これは久富にも言えそうです。
勝率を見ると下位4名と今回の4名が一緒という事は無失点にできないことが勝てない理由の裏付けになりそうです。
攻撃面も考える
ディフェンダーは主に守備の選手だけど、最近のサッカーは攻撃に参加することも求められる。
守備に難があっても攻撃が長所ならば起用されるべきなのかもしれません。
点が入らなければ勝てませんから。
- 瀬川和樹(3ゴール4アシスト)
- 小柳達司(3アシスト)
- 久富良輔(1ゴール1アシスト)
- クオンハンジン(2アシスト)
- ファンソンス(2アシスト)
- 夛田凌輔(1ゴール)
攻撃面の長所が守備での不安をかき消してくれているのは瀬川和樹です。
今年1番の成長株は数字の面でも結果を出しています。
小柳達司も守備だけではない所を見せてくれました。
まとめ
契約満了となったのは試合出場の無かった黄大俊のみ。
移籍が無ければ、2014年のディフェンダー陣が中心となりそうです。
ハンジン・小柳は今年同様試合に出て欲しいし、青木もここに絡んでほしい。
有薗は能力よりもシーズンを通して活躍できるようにしてほしいですね。
そうすればソンスもボランチに専念できると思います。
サイドバックは左・瀬川、右・久富が中心となり夛田がどれだけからめるか。